第5回 筑紫野市人権施策推進審議会会議録(要点記録)

 

日 時:平成19年7月4日(水)13:30~16:15  

会 場:第2・3委員会室

出席者:〔委 員〕陶山高度、椎葉眞弓、下田淳一、濱武振一、福原清二、三島美智子、

上滝惠美子、田部義明、田中美喜子、松田照男、白水慶子、原口重利、宮崎智弘、

田中正美        計14名

  欠席者:〔委 員〕美川美佐子  計 1名

出席者:〔事務局〕岡部総務部長、松尾教育部長、富永人権政策課長、真鍋教務課長、

水内人権政策課長補佐、萩尾教務課長補佐、長野教務課主査、末吉人権政策課主事

計 8名

  傍聴者:なし

 

事務局(富永):市議会選出委員が、改選により上村和男委員から濱武振一委員に交代されたので紹介をする。

 

1.会長あいさつ

本日第5回、最終回となる。答申案の原案を整理し、まとめることになる。審議が済んでいない部分をまず論議して、全体整理に入りたい。

 

2.議事

@前回会議録の確認  → 確認済、了承。

 

A参考資料の説明  事務局(水内)より、配布資料の説明を行った。

【第4回審議会での質疑意見等を踏まえた修正提案】 別紙修正案参照

 ○第4章 2(8)企業・事業所との連携(諮問案P14)

  「障害者などの雇用促進の協力要請」→「障害者などの雇用促進」に修正。

協力要請となるとハローワークの取り組みが中心になり、市単独でそれを行っていくのはなかなか難しい。無料職業相談所では登録していただくと、雇用についての照会作業に入っていくということなので、協力要請を削除し、雇用促進という表現にする。

 ○第4章 3(1)@ ウ 研究・研修の充実(諮問案P15)

  私立幼保に対しての取り組みとして、施策の方向性に「講演会や研修などへの参加要請」を追加。

 ○第4章 3(1)A ウ 人権問題カリキュラムの整備と教材の開発(諮問案P16)

【答申案】 別紙参照

 第4回までに確認済みの箇所を修正したものである。

【諮問案・答申案対照表】 別紙参照

【答申かがみ】 別紙参照

【筑紫野市人権施策基本指針施策体系】・【参考資料 施策の方向性と事業例】 別紙参照

 本日、修正提案の分も含めて、該当箇所を修正している。

【平成18年度人権問題啓発実行委員会まとめ 抜粋】 別紙参照

 

B第4章 人権施策の推進

 3 人権教育・人権啓発を推進するための取り組み

(2)人権啓発(答申案P20~)

≪質疑・意見≫

陶山会長:第4章の残していた部分からである。

P20(基本的な考え方)「自らの課題として受けとめ、人権が確立された地域社会づくりに向けて」とあるが、市民がイメージできるかどうか。どういう社会が「人権が確立された地域社会」なのか、具体的にイメージできるような表現にしなくていいかという気がする。具体的にはなかなか描けない。

田部委員:第2章で各個別の人権問題をいろいろ審議してきて、その中に具体的に盛り込まれているので、ここは理念として書けばいい。具体的には、講演会開催や行政区での勉強会など想定されているのかと思うが、そういったことも含めていろいろな取り組みがされてしかるべきだし、ここは理念として挙げておけば、それぞれの具体策の中で今後創意を持ってやっていくということだろうと思う。そこまで文章に入れるとそれで規定してしまうから、固定的になってしまう。

陶山会長:そういう考え方で、人権が確立された地域社会づくりというのは、この答申案全体に示された各種の施策を実現していく社会だというように捉えていいか。抽象的ではあるが、理念として確認をしておく。

三島委員:この間、行政が関わりながらの啓発活動というのはたくさんやられてきたが、ネットワークが組めていないことが一番の問題じゃないかと思う。いろいろな団体の人たちが意識を持っていても、なかなかネットワークが組めていないと見ていて感じる。「エ 人権啓発活動ネットワークの促進」が上のほうに来て、そのための意識づくりや人材育成などになっていっていい時期ではないか。二年前に筑紫地協で地域を巻き込んだ福祉まつりをやった。そのときにいろいろな方たちにオルグを通しながら、実行委員会に入っていただく取り組みをしたが、行政の呼びかけで啓発活動や講演会というのはいいけど、なかなか自主的に自分たちがつながっていこうという取り組みが今欠けているという課題も返された。ネットワークをつなぎながらそこでの人材育成とか、今までの積み上げの中で、既にその人たちが手を取り合って地域で人権のまちづくりをするような施策になっていったらいいと考えている。

陶山会長:単なるア~エの順番の入れ替えというのではなく、啓発事業の重要な取り組みとして、既に一定のレベルに達した団体や人たちを市民の人権問題に関わる啓発活動の母体としてネットワーク化していくということが必要ではないかというご意見である。早くそれができないといつまでたっても単発的で、全体がつながって人権問題を市民の問題に転化していくということが難しいかもしれない。何かいい知恵はないか。

田部委員:昨日社会教育委員の会の研修があり、そこでも点在している形でいろいろ活動があるのは事実だけど、それがつながり線で結んでいくことが遅れており、それができれば全体が盛り上がるのにという意見が出ていた。筑紫野市においてもいろんな分野での点を線につなげる施策がやられていないと思う。人権問題だけでなく、全体の問題として協働のまちづくりの中で十分それを検討してもらい、そういう施策にしてもらう方がいいのではないかと思う。

陶山会長:人権啓発分野だけではなく、もっと広範な市民活動、市民運動に関してのネットワークを作り上げていくという施策を行政で検討していただく必要があるというご意見だと思う。活動をしている人たちに呼びかけて、ネットワークづくりのための会合など、行政のリーダーシップを発揮してもらう必要があるのかもしれない。文章としては「促進」という表現であるが、これをどう実現していくかがそれぞれの知恵だけでは足りない部分があるのかと思う。こういうことも一つの課題として頭の中に置きながら、この答申案全体を見直すという作業に入っていきたい。

田中(美)委員:頭の中に置いておくだけでは忘れてしまう。私たちも誰とネットワークを作っていいかわからない。そのことを推進していくのが行政であるならば、文章として「~します」は書きやすいのだが、その進め方をどういう形で進めていくのか、そして一年後はどういう形にするのか、きちんと謳っておかないと言葉だけではできているのかわからない。きちんと決めておけば、言ったからにはすると思う。その方が行政の方も動きやすいのではないか。この文章でいって、本当にやれているか、やれていないか、確認するのはここの審議会である。

田部委員:前回提案をし、人権問題啓発実行委員会のまとめを配布してもらった。こういう中で実際化していくことができる。人権問題に限らず、行政の施策は上意下達で、下の方になると消えてしまう。そうではなくて下から盛り上げないといけないと思う。昨年一年間の啓発実行委については、どういうことでもいいから人権に絡む形で集まったほうがいいとしてやられた結果が、一年間の総括になっており、それから引き出して次はどうしようかと、実行委で論議し、その中で具体化していく。頭から人権問題は大切だから、人権問題で集まって勉強しようと言っても受け付けてくれない。受け付けてもらえるためのいろいろなやり方はあると思うが、問題は底辺をいかにして作るか。ネットワークの問題も底辺を作るのに大きな役割を果たすと思う。あまり具体的に決めてしまうと杓子定規になってしまい、創意工夫が出てこない。理念を知らせることで、それについて皆でいろんな取り組みをしようということで、ある程度一年経ったらこういうことでと成果がきちんとなってくるから、必要なことだと思う。ただそれを規定してしまうと成果主義になってしまい、数字ばかりで中身が置き去りにされてしまう。私はそう考えて啓発実行委にも関わっている。

陶山会長:ネットワークは行政がどうしろというものではない領域だろうと思う。中身をそれぞれが理解し、それぞれのところで行っていくことが必要であり、便宜は行政に図ってもらわないといけないが、動きを市民の中から作り出していくという努力をしなければなかなかできない。火付け役としては行政の力が必要であり、市民運動、ネットワークづくりに関与していく、そしてそれを育てていくという方向性は持っていてもらわないといけない。そうしないといつまでたっても自発的な動きができないような市民になってしまうという心配がある。

事務局(富永):いろいろご意見をいただいている。特に人権啓発について、ネットワーク化の促進を挙げているが、方向性としてはそういう方向ということをまずは確認していただいて、今後具体的にどう進めていくかのところを内部で実施計画を作成するので、その中で十分に検討していきたい。

陶山会長:行政も大事な仕事として受け止めて、そのための方向性や努力を具体的に進めて行くということで、私共の方からもお願いしたい。どういう風にしてネットワークを進める作業を始めるかということについては、導火線に火をつける役割を行政に果たしていただきたい。

一通りご意見を伺ったということで、これを含め答申案全体をどうするかという話に移る。

田中(美)委員:三島委員が言われた人権啓発のア~オの順番についてはどうなるか?

陶山会長:ア~オを入れ替えるという取り扱いはこの時点ではしていない。ア~オに順番があるわけではなく、それぞれが大切なことである。

三島委員:ア~オとある中で、アが大事という順序で書かれているのではなくて、すべてにおいて人権啓発をするときには大切だろうと思うが、この間筑紫野市の啓発活動などに視点をあてながら成果を見てきたときに、そういう基盤はできているなと思う。そうしたら、今いろいろなところで点となって人権問題やいろいろな問題に取り組まれている人たちが点在しているから、それを結ぶということがネットワークだろうと思う。陶山会長が言われるように、ネットワークは行政が指導するものではなく、自発的につながっていくことがネットワークだと思うが、そのことがなかなかできない。文章の中に同じような形で「ア 啓発活動の充実と推進」、「イ 人材育成の充実」、「ウ 地域における啓発活動の充実」と挙がっているので、できたら、人権啓発のネットワークを通しながら、ア、イ、ウというものが来るような形で考えを持っていた方がいいというのが基本にある。上下はないと言いながらも一番に持ってきてほしいというのがあったから言わせていただいた。

陶山会長:市民運動で特に啓発活動を自主的な運動として進めていこうとすれば、ネットワークづくりをしないと進まないということははっきりしている。ア~オの項目の中ではなく、「基本的な考え方」の中に挙げて、以下ア~オとしたらどうか。

白水委員:「基本的な考え方」中で「人権が確立された地域社会づくりに向けて、ネットワーク化を図りながら啓発活動を充実します。」と「ネットワーク化を図りながら」を挿入してはどうか。

陶山会長:人権啓発を進めて行く上での基本的な考え方として、啓発活動に携わっている団体のネットワーク化を積極的に進めるという方向を明らかにするということでよいか。 → 一同了承

 

C「筑紫野市人権施策基本指針」全体を通して

陶山会長:第四次総合計画の中に全部含めて、行政としては対応していくことになるのか。それぞれの部分で指針みたいなものが出てくるであろう。

事務局(富永):総合計画との整合性は取っている。

陶山会長:そうではなくて、総合計画の中に含めて、取り扱いの仕方としては別々に取り扱うわけにはいかないであろう。

下田委員:P3指針の位置付けとして、第四次総合計画を具体的に進める方向性を示すと書いてある。

陶山会長:総合計画の具体化として、そういう形のものが次々に作り上がってきているのであろう。何か重複、煩雑になってはいないか。

下田委員:縦系列だけではいけない。横のつながりも必要である。

事務局(岡部):個別課題としてそれぞれの所管でやってきたもの、やっているものもあるが、今回は今言われたように総合計画の中で全体的なものを示し、それの各論がこれになってくる。それぞれの課が具体化し、実施計画を作っていく、毎年どのように行ってきたかを進行管理という形で点検をする。

陶山会長:実計段階で各課でとなったときに、バラバラになってしまうのではないかと懸念する。

事務局(水内):答申をいただいたら指針を策定し、実計に移るわけであるが、内部組織の推進本部を作ることを考えている。その中で各課から挙がってきた案を検討し、また各課に戻し、検討するというやり方をしていくのでそこは大丈夫かと考えている。それと総合計画との話だが、各政策なり施策があり、それぞれの人権課題についてもそれぞれの担当課で事業を持っている。これについては出してもらう実計の中身と重なってくるのではないかとは思っている。

陶山会長:具体的な実計となると自分の課、担当だけになってきて、総合的な施策全体をやっていくような総合的な実計はできにくいのではと危惧している。

第1章 → 一同了承

     第2章に入る。

田部委員:参考資料で「障害者などの雇用促進・継続・無料職業紹介所」とあるが、今までに障害者に関しての就労支援は実際にはやれてないに等しいという現状があるようなので、ここは「継続」ではなくて「拡充」に、そして「障害者に対する就労支援」と変えてもらいたい。

事務局(水内):P16(8)企業・事業所との連携 施策の方向性 に関わってくる。今日最初に「障害者などの雇用促進の協力要請」→「障害者などの雇用促進」ということで修正提案したが、今の田部委員の話では、参考資料で、「無料職業紹介所・継続」となっているが、障害者の雇用について今まで実績がないということで、「就労支援」として「拡充」にしてはどうかというご意見と理解した。

田部委員:雇用促進ということではよいのだが、参考資料の中には、さっき言ったように実際雇用促進にはなっていなかったということなので、むしろここは拡充にすべきで、具体的には就労支援をする。今後取り組むとは書いてあったが、参考資料の中では従前の通りだとこれで判断すれば何もしないのと一緒であるから、ここでは具体的に就労支援をお願いするということでさらに拡充してほしいということで、そういう文言に変えていただきたい。

陶山会長:答申本文はいいのか?

田部委員:協力要請を消して、雇用促進だけになったが、それはいいと思う。

陶山会長:参考資料の方だけを変更か?

事務局(水内):ここは同じ文言を載せるので、就労支援であれば本文も修正になる。

田中(美)委員:就労支援となると、作業所も就労になる。雇用というのは雇ってもらえるということ。私たちは雇ってもらえるところがない。だからここは就労ではなくて雇用の方がいいと思う。

田部委員:本文の方は雇用の促進でいい。参考資料で、具体的にどういうことをやっているという資料だから、その中ではーと&はーとだけの人たちのことだけでなくて、実際に仕事をしたいのだけど、人並みに働きたい、一日に一、二時間や週のうち一日しか働けないという人もいる。

田中(美)委員:でもそれは就労ではなくて雇用をしてもらうことである。そこにきちんと位置付けられて、雇ってもらえる。雇ってもらうにはジョブコーチをつけたり、いろんな形で支援しながら、そこに雇ってもらえるような体制づくりをしないといけない。就労だけだったら、施設に入っても、作業所に来ても就労である。就労ではなくむしろ雇用と思う。

田部委員:そこだけの問題ではなくて、市内三千人の障害者がいる。その中で実際全然働けない人もいると同時に働きたいけど仕事がない。だから雇用ということをおっしゃっているのだろうけど、その人たちに対する支援。本人が直接行っても駄目である。ジョブコーチを付けるということも、働くという就労それを行政で支援してほしいということである。必ずしもそこで給料がもらえるかどうかわからない。試用期間でという現実もある。給料はもらえない。それは行政の方で補償するというところもある。そういう意味で言っている。とにかく働きたい人を働かせてほしいということである。雇ってくれという以前の問題である。実際にはその雇ってくれるところがなかったという経過がある。だから本文の方は雇用促進で結構である。具体的な施策の方向の中では、就労支援をしてほしいということである。ここには無料職業紹介所とあるが、それじゃなくて具体的に就労支援にしてくれということである。

田中(美)委員:無料職業紹介所は現実的にある。

田部委員:あれは一般である。まだしていないという事務局からの回答があった。

三島委員:事業内容を無料職業紹介所・就労支援にしては。

田部委員:あれは一般に職業紹介をしているということではなかったか。

田中(美)委員:市がやっているのは障害者じゃない人たちの雇用だった。まだ障害者の人たちは雇用ができていないと私はとった。

田部委員:そうである。実績がない。言葉を変えて言えば、働く場所を作ってほしい、見つけてほしいということである。

陶山会長:私共は実情がよく理解がいかないまま論議を伺っているが、「障害者などの雇用促進」そして次に「就労支援」という仕事を施策としては、やりますよという風に書き込んでおく必要があるのではないかというご意見か。

田部委員:本文は、協力要請は消す。それで参考資料には具体的なことが書かれている。その中で無料職業紹介所、実際にはこれはやられていなかったという報告があった。だからやられていないことを継続するというのはおかしいので、拡充にしてもらいたい。それで今、田中委員と意見が違うのは就労と職業紹介所は違うのではないかということ。障害者として働きたい、働く場がほしいということ。具体的な案を持ってはいるが、ここですることではないので言わないが、そういった場所を作る、見つけてくるといった支援をしてほしい。他所ではやっているところもある。市の職員が企業に出かけていって、こういう仕事ができるけど、やってもらえないか、ジョブコーチをつけたり、一ヶ月なり二ヶ月なりやってみる。実際最初はできなかった人が一ヶ月経つと簡単な作業だったらできる。この人はこの工程だったらやってもらえるから雇いましょうという例も出ている。もう一つは施設がレストランを開いたり、その中で作業を分担してこの作業だったらできるようになって報酬も上がったという例もたくさんある。そういった決め細やかなことをイメージしていたので就労支援と言っているわけである。

陶山会長:今お話になってある趣旨はご理解いただけると思う。ただ雇用促進ということだけでしてしまっては、障害者の仕事を広めていくためにはあまり役に立たない。もっと役に立つ仕事としては就労支援という形での行政的な手立てを広めていくことが大切という体験に基づいてのご意見だと思う。そういうことで、施策の方向性の中には就労支援という文言を生かしていただきたいということで、よいか。

事務局(富永):事業例の方ですね。

三島委員:「雇用促進・就労支援」、事業例で無料職業紹介所、そこで行きたいということがあればそこにやはり支援がいるという形がいるということを言っているのであろう。

田部委員:職業紹介ということになれば、具体的な段階になる。

田中(美)委員:本文も「雇用促進・就労支援」と二つにすればいい。 → 同意の声あり。

陶山会長:それでは、雇用促進を進めていくということと就労支援に取り組んでいくということにする。

第2章 → 一同了承

     第3章に入る。P10基本理念が囲ってあるが、意味があるのか。

事務局(水内):これは諮問案のときから囲っていた。(1)~(3)に表題は付いた。

田中(正)委員:基本理念で一番大切なところなので、囲って強調してある。

陶山会長:P11「それぞれの役割を定め、」とあるが、例えば地域の役割を定めることが実際可能か?役割を定めということよりも、それぞれの分野での役割をしっかり自分たちで認識をして確かな実践を行っていくというような表現にできないか。役割を定めることが可能かという心配をしている。

     第4章に入る。

濱武委員:初めて参加している。人権の教育について一番基本的なのは小学校、中学校、保育所、幼稚園だと思う。学校現場の先生たちにお尋ねしたい。筑紫野市は障害のある子を受け入れる。いろんな子がいたら、それを引き受ける、周りの意識も変わるし、考える機会になる。そういうことが実際今も続いているか?続いているということはお金の問題であり、足りているかどうか。例えば知的障害の子、もしくは体に障害を持った子が通学するとなれば、お金がかかる。そのためにこれは今人権施策の推進であるが、これを市が具体的に予算を付けていくわけである。そうしたら足りないものは足りないと言った方がいい。そういう意味で、どうなのかなと。それが最大の教育だと思う。講演会などいろいろあっているが、そういうのはもういいのではないかという人もいる。だけど、実際ネットワークをという話も出たが、子どもの頃にそういう体験をしていたら大切だというのがわかる。そういう意味で聞いている。

原口委員:地域の子は地域の学校へという筑紫野市全体の方針は持っている。校区の学校に行かせることが地域の子どもたちの人間関係づくりには役立つという視点は変わっていないし、むしろ充実してきているところがあると私自身は思っている。今予算のことについて言われたので、言いたいことは山ほどある。県費職員であるから、その枠としてはある。それと別に介助員制度を筑紫野市では持ってもらっている。その介助員制度に関しては、市の予算が非常に厳しい状況だというのは間違いない。筑紫野市の小学校十一校、中学校五校に対し、不十分だと私個人としては思っている。もう少し介助員制度を充実する意味でも一つ方向性としているのではないかと思う。それと様々な教材、教具の充実を同時進行で要求している。学校予算は削減状況にあり厳しい状況というのもわかっておるが、充実が望まれるというところである。

田中(美)委員:私たちは市民としてずっと関わってきた。私の娘の当時は難しかった。行政との交渉の中で校区の子どもは校区の学校へ行こうということで、教育委員会を含めて議会にも掛け合った。このことで教育長との話し合いをしながら、校区の子どもはほとんど今校区の学校に行けている。教委や校長が「あなたはここに来たらいけません、養護学校に行ってください」ということは一切ない。保護者が「ここの学校にやりたい」と言えば、百%やれる。ただ、保護者が「養護学校に行きたい、盲学校に行きたい、聾学校に行きたい」と言ってもやれる。本当は本人の意思を尊重しなければいけないが、本人が小さい故に自分の意思決定ができない場合は、保護者が行う。今の十六校では全部保護者が決めている。中学校になれば本人の意思が大体わかるので中学校から養護学校へ行った子もいる。それは教委、校長が行きなさいというのではなくて、自分の決定権、保護者の決定権のもとで行っている。入学のときにいろいろ相談がある。教委、校長も含めて、この子が入ってくるためにはどういうものが必要なのか、障担確保、特学担任確保というのも私たち考える会を含めて、毎年教委と折衝している。学校側から挙げる問題、考える会から出す定数要求、解放同盟も同時にやっていただいているが、三者の組み合わせの中で、定数が何人となる。今は身体と知的と情緒と分けられるようになっているので、三クラスあるところもある。二クラスのところもあるし、一クラスのところもある。他の市町村に比べたら学校教育の現場は筑紫野市はいい。わざわざ他市から筑紫野市に引っ越してくる人もいる。だから春日よりも障害者の名前が多いというのはそこなのである。それだけ今の現状の中で教育を受けやすいのだろうと思う。後は予算関係は、学校が校長がきちんと予算を上げて取れるか取れないかはわからない。ただ、階段がないからエレベーターがないから、何がないからというないづくしの中でその学校に入れないというのは少なくなった。エレベーターがなければ抱えればいい。その子がそこの学校に行きたいということ自体をきちんと捉えて、なければ抱えればいい。ただ、私が言ってきたのは「いつも下のクラス、一階にだけはおらせないでください。その子が二年生になったら二階に上がるのだったら、同じように二階に上げてください。三年生は三階だったら、三階に上げてください。そこで、三階に上げられないようだったら、学校の中で工夫してください。」そうすると、子どもたちが関わってくる。だから筑紫野市は他市よりもそういうところでは障害児を受け入れてはもらっている。

濱武委員:今言っているのは、まさにそういうことであり、そういう経験をするということ。ところが、問題は今予算削減の方向にある。足りないと証言してあるのも本当だと思う。人権的な教育啓発をするということで、小学校現場、中学校現場がお金が足りているかどうかというので、聞きたかった。そのことで、今おっしゃっていることはいいことである。それを推進するのであったら、そのときにはどうしても予算の問題とかあるので、聞いた。実際入れることによって子どもたちにとってよかったのであろう?それを進めていくわけである。ところが予算面はきつい。こういうことが維持できるかどうかというのは今の状態なら危惧される。

原口委員:学校では家庭や地域と協働してやっている部分もある。質的にはもっと高めていきたいという思いもある。

濱武委員:質的に高めるとはどういうことか?

原口委員:教材の工夫や人的な配置だとかを行う。

濱武委員:もう一つ、この中に地域ということがある。そうすると例えば知的障害者というと、近所でも最初は嫌である。そのうち関係性ができてくるには地域が関わりを持つ。だけどそういうことを考えたとき学校現場は区長会や地域との関わりはしているか?

原口委員:様々な形で関わりをしている。学校によっていろんな関わり方はあるだろうが、うちの学校では傾向的に地域の中の学校だというのはいつも考えている。まずは学級集団、学年集団で、縦割りで異年齢が出会える場など努力している、今ある予算の中で、今ある人員の中でであるが。

濱武委員:この本文の中に今のような思いが入っていればいいと思う。今からこの文章を変えるというのは大変な作業であるから、そういう意味の中身はあるか。そういった中身でできているか。

陶山会長:財政的な問題まで、どうこうしようという意図はあまり明確には挙げていない。

濱武委員:これを見て施策評価をしていくわけであるから、それはもう少しいるのではないか。学校現場は大変である。今いいことをやっている。いいことは続けないと窮屈な話になってしまう。そういう思いがあるということを今日ここで話ができたら議事録に残るから、こういう意見があってこんな話があったということになればそれはそれでいい。

事務局(富永):ご意見は伺って。

濱武委員:この後は附帯意見である。附帯意見が勝負なのである。附帯意見に何をつけるかというので切れ味が変わる。

田中(美)委員:私たちは予算関係とかは市の広報とかそういうのくらいでしかわからない。地域で一度だけこんなことを言ったことがある。以前夏祭りで、うちも来て下さいと言われて障害者を連れて行ったら、皆から妙な顔をされて、あなたたちは向こうに行けみたいなことをされたから、私はたまたまそこに知り合いの方がいたから、これはどういうことだということで言ったことがある。そうしたら、何か予算のことを言っていたが、それは私は知らない。私たちはここに来たいから来て、来ただけだから、私は怒って全部連れて帰ったことがある。地域とか校区とかいってもやはり理解というのはなかなかされにくい。そのことでいろいろな差別を私たちも受けた。子どもたちも、利用者も受けた。そういう差別がある中でのこういう施策の基本方針を作ろうということで、皆でいろんな分野から集まってくださって今作っている。だから、予算がどうのとかこれに打ち出せとかというところまでは私たちは考えてなかったし、またそこまでしていたら莫大な資料になって、私たちも限られた時間で各団体から来ているから、そういうのを含めて今までは本当に無駄にはなってなかったし、予算関係になれば、後はどうもこうもできない。

陶山会長:濱武委員もいるし、下田委員もいるし、議会の中でここの論議を踏まえて、非常に重要な人権施策だということで、働きかけをどんどんやってもらえばいい。

田中(美)委員:議員さんたちがやってもらわないといけない。

下田委員:違う。執行部がきちんと取り負けないように取らないといけない。枠配の枠をもう少し広げてやるとか。

陶山会長:いずれにしても昨今の地方自治体の財政の中では我々がどんなに素晴らしい論議をして素晴らしい案を作っても、なかなか実践はできないという実態はある。

下田委員:部長次第である。

田中(美)委員:私たちの生き様をそのまま外に持っていったときに、本当に皆が全員の人たちが地域の人たちが受け入れてくれるだろうか。受け入れてくれない。だけどそういったときに私たちの生き様も含めてそういう人に何でするのか。前にも言ったと思うが、グループホームを借りたときに、隣の人に「うちの隣に火葬場が来たようだ」と私は言われた。そういうことをわからないから言う。「火葬場が来たとはどういうことですか。何かあられたのですか。」と聞いたら、「前はこういうことがあって夜中も眠れないことがあった。」と言われた。また今度こうして六人も七人も住むようになって、何をするかわからないというのが、ご挨拶は行っていても、いくら説明しても、そういう形に自分の隣に来ればやっぱり中身がわからない。もう何ヶ月も住んでいるけれど、今は何もない。だけど、言葉としては出る。その出した人たちにどんな風にして仲良く付き合っていこうかという私たちの努力もあるし、向こうも努力はしてくれていると思う。それが地域で共有して生きていくことではないかと思う。

濱武委員:そのとおりだと思う。その障害者の中に小学校や中学校が一緒の子がいたとなれば変わるわけである。だから教育だと思う。

田中(美)委員:一緒がいた。

濱武委員:いたのならば、それがもうちょっと違ったと思う、もうちょっと頑張れば。

原口委員:P11 25行目「人権に係わる課題」は『関わる』または『係る』どちらか?

事務局(富永):『係る』に修正したい。P20 19行目『収得』→『修得』に修正をお願いしたい。

事務局(長野):先程、陶山会長からご指摘があったP11「それぞれの役割を定め」というところであるが、ご審議いただく最後の機会になると思うので、事務局から提案する。「それぞれの役割を目指すべき目標として定め」と変えたら、陶山会長がおっしゃった役割としてきちんと定義をするということの難しさをあえてそういう役割を自分たちが目指すべきものだという表現に変えたらどうかという提案をするが、ご審議いただきたい。

陶山会長:よいか。 → 一同了承

三島委員:今全体を見ていて、差別落書きやインターネット上で一番はそこだろうと思う。確かに筑紫野市の行政の問題ではないと思うし、そうかと言ってどうにかできることではないけど、インターネットの問題は、P8 6外国人に関する問題、そこだけしか出ていない。ここだけで扱うくらいの軽い問題か。そのことに対する施策なり何なりは取れないにしても何らかの形はここの中で論議するべきじゃないかと気になった。

田部委員:今おっしゃっていることは、それぞれの組織や団体で取り組むことが本来されるべきと考える。社会教育委員の会でも具体的に研修をしている。差別用語とかもっとひどい書き込みなど、そういうことを示唆する文言でいいと思う。

陶山会長:インターネットを利用する人間の心、あるいはこれから発達してくる子どもたちのインターネットに関わる精神をきちんと育てていくというような必要性もあるかと思う。

事務局(岡部):インターネットでの人権侵害については、P9 8さまざまな人権問題にもある。

三島委員:教育の中でインターネットに便乗する人間を作らないことと地域をつくらないこととそれが一番である。

陶山会長:詳しくはわからないけど、インターネットは誰でも使えないように、必要な人に限って使えるようになればいい。

三島委員:法務局辺りでは何かそういうことの対策は考えてあるのか。

福原委員:法務局でも具体的なものがないわけではない。ただ、原則的には対象となっている人が削除要請を自らしなさいということが基本的にはある。明らかに書き込みがどこの誰というのがはっきりわかるような場合は、法務局が人権侵害事案として扱うこともある。それで何をやるかというとインターネットの掲示板を運営している人に対して削除要請をする。受けるか受けないかは向こう次第なので、どれくらいのケースが抹消されたかとなるとそんなに数はあまりない。結局我々が一番恐れるのは、表現の自由というのをそこで盾にするわけである。そうすると人権擁護機関が我々の人権を侵害するのかという議論が必ず起きる。削除要請というのはその掲示板の中に入り込んでいって、法務局から警告する、消してくれという書き込みをしていく。それに対してさらにさまざまな上乗せをするような攻撃があるということの繰り返しである。

濱武委員:人権擁護委員さんや法務局の方に聞きたかったのは、例えばP14にある職員の育成というところで、今、陶山会長はさすがと思うのは、そこも教育の問題だから書き込む方がこんな風に書かれても信じなければいい。そこの問題、それは時間がかかると思う。それで、お二人に聞きたいのは、うちの市の職員と勉強会をやってあるか。例えば一番多いのはそこだと思う。人権の関係で何かあったとき表現の自由とか、どこへ行くかといったらだいたい警察である。だけど、警察に行くけれども、もし仮に事案があったときに役所で対応できない。それで最新の人権関係のトラブルというのは人権擁護委員さんが一番扱われる。もしくは法務局がそういう判例を持っている。そういうことをネットワークで勉強していた方がいいと思う。そういうことが、情報交換とかをやってあるか。

白水委員:人権擁護委員と市の職員か。そういうのはやっていない。

濱武委員:そういうのを設置するのが、行政のネットワークづくりに入っている。こんなケースがあったというときにそこが連携していたら、スムーズに進む。そうした後に団体につながっていったらいいのではないか。

白水委員:職員のそういった人権に対する学習は人権政策課の方が責任を持ってされている。だからその時に法務局からすることではないので、それはやはり人権政策課の方が職員の場合は動かれないといけない。別である。

濱武委員:こういう風に集まっていただいているわけである。心配しているのは、この先これで終わりというじゃないけれど、作った後そういうのがないのであろう。これをきっかけに知り合いになって話す機会を作っておけばいい。こういう方たちと話すべきだと思う。ネットワークの件だって必要なことである。

下田委員:インターネットで表現の自由とか言っているけど、人の人権を傷つけるような自由はない。

陶山会長:情報をどれだけ賢く取捨選択するか。そういう力を今子どもたちにはつけなければならない。

     いろいろな人権に関わる、具体的に浮き彫りにしていない問題に関しても人権問題があるということが提起された。それも含めて最終的に答申案をまとめたい。

 

D答申案、附帯意見について

陶山会長:答申を提出するにあたっての要望、この内容を論議していく。答申を出すことは事務的なことだが、答申に当たって附帯意見をつけたらどうかということである。

濱武委員:筑紫野市は人権と言ったら同和ばかりやっているじゃないかという声がある。陶山会長が校長先生の頃、ちょうどゼッケン登校をやっていた世代で一番激化していた。僕らの世代はある程度残っている。今日この会議に出て、人権は大切、ただ誤解を受けている。人権=同和となってしまっている世代が社会の真ん中の世代である。おっしゃるように障害者の件では、現場は今日までいろんな団体が一生懸命人権問題に取り組んでいるという歴史としてある。そうした誤解をなくすために三番目に一文入れてほしい。人権を取り巻く状況の変化に応じてというこの間に、言葉は別にあると思うが、同和だけではなく、他のさまざまな人権ということを考えるという意味で、関係部署の事業計画を見直すとともに、というように。市民にまだ同和は大切であるが、これからの社会、障害や知的障害を持って差別を受けるようなことを、それは自由経済社会だから、そういう人と付き合わないという世界になってきている。そういうのはよくないと思うから、それを誰がやるかといったら、行政がしないといけないし、国がしないといけないから。市民の中には誤解がある。僕が率直な世代である。それを一文入れてほしい。そうしたら皆振り向く、変わると思う。

陶山会長:答申をする際の附帯意見で第三項目という具体的な話があったが、人権を取り巻く状況の変化に応じて、のところに人権問題というのは同和問題だけでないということを入れたら、ということか。

濱武委員:さまざまな人権、もしくは第2章でずっと書いている。同和問題、女性に関する問題、子どもに関する問題、これを全部挙げてもいいかもしれないけど、皆同和と思っている。

陶山会長:現状に対する市民の誤解はやはりこういう答申を出すような際には解く努力も必要であろうと私もそう思う。そういう意味では附帯意見の中の一つにそういう内容を盛り込むような附帯意見にしてほしいということだと思うが、どうか。

椎葉副会長:三番目の頭にさまざまな人権をと入れればいい。

濱武委員:今回市長選でも反同和ということを明確に言った人間が八千から九千票取っている。またそれに類することを言っている人も合わせると一万六千票になる。それを党として、行っているところがある。僕が思うのは人権を守る、弱者を守ると言っているのなら皆手を組めばいい。だけど、僕はそういうときに同和をどう捉えているかと思う。

椎葉副会長:今日初めて来られているが、これの議論に入る前に、筑紫野市は人権=同和ということで来ているではないか。人権の基本は同和問題である。人権とか差別とかの基本は一番最初は同和であるという議論をして、そしてその中で人権という話をしてきたわけだから、一番最初に基本的な部分を皆さんで話をした。人権の話をしたから、その辺はここで、もちろん選挙のときに市民の皆さんの思いはいろいろ聞かれたとは思うが、でもそれは投票率は五十%で半分しかいっていないわけだから、半分の人たちの意思はわからない。ここで選挙の結果がこうだから、市長の方針がこうだからとかでここの中での議論にはならない。やはり人権というのを基本に、さまざまな人権をここに挙げてある。外国人、男女の問題、高齢者、障害者の人権でいろいろしてきて、施策を作るわけだから、そこはちょっと議論の中身が違うような気がする。

濱武委員:五十%しかいっていないというのが問題なのか。

椎葉副会長:その人たちが、全員の意見ではない。市民の反応ではない。

濱武委員:人権でしょう。一人一人が大切なのではないか。今の言い方はおかしい。

田中(美)委員:私は今まで一生懸命やってきた、皆も。さまざまな人権問題で一生懸命やって、私たちも同和教育を基本に据えて、そこから勉強させられてという話もずっとした。その中からさまざまな人権が見えてきたのであって、最初から障害者の人権が見えてきたわけでもない、私の場合は。そこをきちんと勉強した上で、学習してきた上で、やはり、これは私の女性に対しての障害者を産んだという女性差別も受けた。だけどそれははっきり女性差別だと分かるまでには長年時間がかかるわけである。障害者差別もそう。長年時間がかかった中でだから今こそ言える。今のこの年だから言える。それまでは私は同和教育を基本に人権問題をやってきたということを一番最初に言った。そこからしか私は始まっていない。それから自分の差別が見えてきたということで、ここに来られている人は全員ではないかもしれないけれど、さまざまなところから来て、さまざまな意見を言いながら、人権問題をしっかり考えていこうということでやってきたと思う。椎葉副会長と濱武委員の話を見ていたら、ちょっと違うのではないかなと。それはこっちにおいておいたところで意見交換してほしいと思う。

椎葉副会長:選挙で同和批判の人に票がいっぱい入って、それを前提に同和を外してと言われるので、そうじゃない。基本は同和問題で、ここの一番最初の始まりのときにも人権、差別というのは同和から始まっているという話をしたので、その辺は選挙で同和批判の票がいっぱい入ったからという言い方をされたので、それは違うと私は言いたかった。

下田委員:今まで十六~十七年関わってきたけれど、同和だけしなさいとは一回も言っていない。全部同和問題をはじめ、女性問題や高齢者問題、障害者問題、在日外国人、全部入っている。それだけは申し上げておく。

陶山会長:確かに社会全体にはさまざまな誤解があるが、少なくとも市の行政の施策として人権問題を提起し、論議するという場面では同和問題だけが人権問題というように限定して捉えてはいない。市民一人一人のその生活を安全にしてもらう。そのために必要な人間としての権利を守るということを基本にして問題の解決に当たっているということをお互いに確認しておきたいと思う。したがって、濱武委員が要請として附帯意見の第三項目に、人権を取り巻く状況の変化というのが従来の筑紫野市における一つの誤解みたいなものとして、人権といったら同和という関係があるからその辺の誤解を明確に解いておく努力を含む表現をしておいた方がいいのではないか。

下田委員:人権問題が同和と思っている人が問題である。

陶山会長:その辺のことを啓発の一つの種として、書いておいた方がよかろうということでそれはそういう風にしよう。取りまとめる段階で表現を考える。もう一つ私が附帯意見で考えている点は、私どもはあまり直接的に差別に直面したり、したりされたりという体験をしないから、差別された人にとっては非常に深刻で重大な問題だと思うので、そういう場面が発生した場合の、一種の緊急事態みたいなものに行政がどういう対応をすることができるのか。その辺のことを一つの決心として覚悟として明らかにしておいてほしいという気がする。緊急に対応するような事態が起こった場合の対応策みたいなのは行政は持っておいてほしいという気がする。そういうところも附帯意見の中に入れてみたらどうかなと思っている。

下田委員:社会の流れからしたら、そういうことが必要であろう。学校で生徒におバカさんと張り紙をしたことがあった。

濱武委員:学校現場も何が起こるかわからない、行政も何が起こるかわからない。

下田委員:書いておいた方がいい。

三島委員:太宰府市南隣保館の玄関入り口に差別落書きがあった。こういう時には即対応で、法務局の方も来て、入ってもらいながら、現場を見てもらいながらの対応をした。

陶山会長:そういう趣旨での緊急対応策、緊急対応が必要というような場面が起こった場合には行政が速やかに行動を起こして、問題の解決に力をあげるということを明らかにする必要がある。

     答申案の原案に記していただいている私たちの論議の中身は非常に重要で、審議の結果の中に非常に重要なことがたくさん入っていて啓発活動の柱も含まれていると思う。そういうことも含めて答申を出す以前に、正副会長と事務局でもう一度整理をして、まとめたものを提出するようにしようと思う。それができた時点で委員の皆さんにはこういう答申を出すということをお知らせしようと思う。 → 一同了承

事務局(水内):正副会長と事務局で答申案を作成して、それをお配りするということで、実際に市長への答申についても正副会長からということでご理解してよいか。

陶山会長:そういうことである。答申を出したものを皆さんにお配りする。

事務局(水内):その際にはアンダーラインを引いてないものを全部出して、対照表を作るのでそれで確認していただいきたいと思う。

陶山会長:これで人権施策審議会を終了したいと思う。

事務局(岡部):事務局の方から一言お礼を述べさせていただく。基本指針の諮問にかかる審議会として、最終的な取りまとめをしていただき、答申をいただくことになった。陶山会長を始め、委員の皆様におかれては筑紫野市人権施策基本指針策定のための諮問内容について、本年一月十八日の第一回から本日まで五回の会議を開催していただいて、最後まで熱心にご審議をいただき、ありがとうございました。心から感謝とお礼を申し上げる。審議会の中では、委員の皆様から日ごろ取り組んである内容や専門的な立場でさまざまな角度から人権問題について貴重なご意見をいただき、答申としてまとめていただいた。後日審議会を代表して、陶山会長、椎葉副会長から市長へ答申書を提出していただくことになる。今後は答申を尊重し、市としての人権施策基本指針を決定して、その指針を元に実施計画を策定し、人権施策を総合的かつ計画的に推進をしてまいる考えである。委員の皆様には答申ができても人権施策の実施状況に関してまた関わっていただくということになるので、今後とも本市の人権尊重のまちづくりに向けてご支援ご協力をよろしくお願いしたいと思う。本当に長期間皆様方に大変ご迷惑をかけ、ご苦労をおかけした。本当にありがとうございました。