11/05/20●浜武レポート

筑紫野市政を振り返る
給食センターの建て替え!?と地方財政の現状

市長に裏切られた

「市長には本当に裏切られた」
私は耳を疑った。

先の県議会議員選挙。
終電まで駅頭に立っていた。
駅立ちは「パフォーマンス」と揶揄される。
29才の選挙の時、朝倉街道駅で「乞食」とまで云われもした。
しかし、私は、市民の心からの声が聞けるかけがえのないチャンスが夜の駅にある事を選挙を通して学んでいた。

駅には本音がある

その日もそうだった。
「筑紫野市の給食は体の小さい小学1年生も体の大きい中学3
年生も同じ献立です。ただ、量が違うだけ。
自校式(学校毎に調理場を作る事で、児童生徒のアレルギー等、きめ細かい食育指導が可能となる)がお金がかかる事は重々知っています。

けれどもそこに、バル(平原四郎前筑紫野市長)さんは敢えて自校方式をマニフェストに掲げ、田中(範隆)市長を破り、市長に就任した。

反故にされたマニフェスト

やっと子ども達のため、より良い給食が作れると心から喜んだ。
でも結局、財政健全化(枠配〜一律10%削減)といい、何も変わらなかった。
浜武さん、我々は分かっていて、毎日、給食を作っているのですよ。分かりますか。政治家って、選挙の時だけこうやっているのでしょう。あなたも結局同じなんでしょう。」

学校の教材費すら削らなければならない程(学校管理職)の財政惨状。
他方、筑紫野市の正職員一人当たりの平均給与+福利厚生費計800万円超(平成21年度決算)の官民格差。
私は躊躇うことなく「保育所民営化」「給食センター民間委託」を政策に掲げた。

組織的なネット書き込み

すると「浜武候補は育児、子育て政策を削減する候補者だそうですね」とミクシー等のブログに組織的に書き込まれている事を公園であったお母さん達から聞いて驚いた。
お母さん達に、胡麻かしもせず、豹変もせず、事情を説明した。そして、声をかけていただいた事に感謝し、自転車に乗った。

帰宅の途につくサラリーマンの雑踏の中、「私はそのような政治家と同じように扱って欲しくない」と本心を明かす市民に答え、話を続けた。

自校式の長所・短所

学校給食を共同調理場から自校式にすべし、との議論は主婦層から支持を受けた女性議員や共産党議員から一般質問という形で行われてきた。
自校式の良い点は、児童生徒のアレルギーの問題の解決、また、地元の市民の雇用の場もできる、との主張であるが、前者は得心行く部分もあるものの、後者は学校給食法の衛生基準を満たす事が困難だと云われている。
自校式の欠点は、学校敷地内の用地の確保、そして、何より人件費がそら恐ろしくかかってしまう事だ。
前者は一過性の事だが、後者は市民への長期的債務を伴う。

ハコモノばかり目が行くが・・・・

ある地方自治体の調理場の職員に退職金3000万円超が支払われ、話題になった。
調理場の職員、仕事を蔑視している訳ではない。
給食は衛生基準が厳しく誰でも出きる程、甘くない事も「駅の先生」より再認識させて頂いた。
だからと云って、給食は公務員でなければ決してできない訳ではない。
私は「公務員も民間も同じ人間で、同じ給食が出きるはずだ」と云う考えから、民間委託を掲げたのだ。

人件費を考えない経営感覚

共同調理場方式、自校式、いずれの問題よりも、働く人の身分の判断を誤っては取り返しがつかない。
サービスを受けたいからと云って、公務員を採用するのは簡単だ。
しかし、一端採用してしまうと、公務員は余程の犯罪を犯してすら懲戒免職であって、民間のように懲戒解雇にならない。
また、退職後、年金を含む福利厚生の原資は税金で賄われていて、ギリシャ、イタリアの財政圧迫の主因は公務員の人件費と福利厚生なのだ。

人を雇うという事の重さ

福岡県議会の条例制定数が少ないのは、議員を補助する職員が少ないからと分析し、50名を越える議会事務局の正職員を更に増やすべし、と要求している。でも、増員される職員の賃金、退職積立金、年金原資は県民負担であり、議員は出さない。
つまるところ、 県議会議員さんに条例を作って頂くには県民に「カネを出せ。出さないならどこか(職員を引き抜き、その職員が従事していたサービス)を削る」と平然と要求している事と同じなのである。

マニフェストの悲劇
議論だけで何も進まなかった8年

平原前市長時代、マニフェストに議論が費やされているうちに、筑紫野市の共同調理場の耐用年数が迫ってきた。
本年2月に就任した藤田陽三市長は「災害時の対応についても考えに入れながら建て替え方針を決定していく(平成23年3
月議会)」とし、調理数の上限が低い自校式ではなく、共同調理場の新設で、とのニュアンスが感じられる市長答弁だ。

「浜武さんの云う民間委託でもいいから、せめて小学生、中学生だけでも分離してほしい」
「自校式が理想だが、今の調理場と新調理場で当分の間、給食をつくる」
「民間委託なら、業者に地元の方(臨職)の雇用条件をお願いして欲しい。今、働いておられる方もいるのだから」
どこで作るかよりも、今の給食そのものが問題になっている事を熱くご教示頂いた。

終電がやってきた。あっという間だ。
藤田陽三市長の23年度施政方針演説は6/6(月)。給食センター建て替えのみならず藤田市長の「市政運営」に注目したい。

 

追記● 6/6(月)筑紫野市議会本会議、藤田陽三市長施政方針演説、及び6/22(水)筑紫野市議会予算特別 委員会、市三役(市長、副市長、教育長)総括質疑に傍聴予定。後日レポートしたいと思います。


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