11/07/15●浜武レポート

玄海原発、今、議論すべき課題

このレポートをまとめている翌昼の7月15日、福岡県議会予算特別委員会にて、知事保留案件(県職員幹部では答弁しかね、知事の直接判断を仰がなければならない政治案件)への知事答弁がなされている頃であろう(注※知事保留案件は慎重審議のため7/19に順延されました)。
県議会の審議日程も残す所あとわずか。7月20日閉会の予定だ。
「福岡県議会では九電の参考人招致をする予定はないのか?」
「まだ閉会していないのでお答えできません」
「と云うことは、長崎県議会総務常任委員会のように、委員会からの招致要請は本日までなされていないと理解してよろしいですね」
「まだ、最終日までありますから」
福岡県議会議会事務局の対応(7/14現在)としては、これが限度であり、寧ろ、よく踏み込んで答えていただいたと感謝する。
代表質問、予算特別委員会質疑を傍聴し、県議各位は原発問題を真摯に質問するも、九電との原子力協定(仮称)締結を知事に要請する域に留まり、議会が直接九電との関係を模索できる「参考人招致」を行う動きは未だ見えていない。
参考人招致は広く認められる議会(委員会)固有の権能である。
予算特別委員会の質疑でも触れていた海流の影響は、九電を委員会招致した長崎県よりも下手にある福岡県の方が大きいのだから、小川知事任せではなく、議会(委員会)が積極的に権能を行使し、正しい情報と取り組んでいる姿勢を県民に発信すべきである。
もし参考人招致が福岡県民の利益を著しく損なう(県知事との交渉に影響する)なら、議論や交渉をブラックボックス化せず、県議会で知事にもう少し、玄海原発問題に対して踏み込んだ答弁を促すべきだったのではないか。
他県の取り組みに比して余りにも対応が見えてこない。

県議選に出馬した一つの理由
市民からの情報「MOX燃料は危ない」

私が県議に出馬依頼を受けたのはこれまで大きく3回あった。
一つは衆議院、参議院民主党公認候補者選考の時、松本代表(当時)、江島北九州市議(当時)から。
もう一つは、先の筑紫野市長選出馬辞退を条件に、今春の県議選転向、全面支援の打診。
そして今 一つは「無投票はいかん!浜武さんの体を市民のため是非とも貸して欲しい」と云う市民の声なき声。
県議選は政党色が強く、民主党から除籍され、自民党公職者から「浜武君が次(三期)当選したら自分が推薦人になってやるよ」と云うも、「(議会構成で)いいように使われた」(当時の執行部)挙げ句、平気で反古にされる扱いを受けた私にとって、最も縁の遠い選挙、可能性が厳しい選挙である。
しかし、福岡県の将来を担う子ども達を育てる教員の多くが単年契約(非常勤)である事。他県に比して余りにも福祉施策が遅れている事。警察組織が戦後期のままの配置である事。そして、玄海原発で今、起きている事を知ってしまった事、等々。
「政治家が損得勘定で行動するから今の日本の仕組ができ上がった」
このことへの打破を標榜する私にとって、 無理からぬ県議選への突入はまさに自然体の選択だった。

予定より早い「定期」点検
燃料棒の異常燃焼

「玄海原発3号機は定期点検を繰り上げた。何故なら、燃料棒にかすかなピンホールができた。これは、想定された燃料棒の消費ではない。浜武さん危ないんです。なぜなら、3号機はプルサーマルで、MOX燃料でプルトニュームを使っているのですよ。何とか県政で訴えてください!」
私の核物理の知識で解釈すると、玄海3号機はプルサーマル発電といい、全国各地の原子炉で出来た使用済み燃料棒(中古燃料)を新しいウランと交ぜ、再精製して使用できる最新鋭の釜である。高額な費用をかけて処理していたゴミをもう一回燃やせる釜なのだから、こんなにお徳なものはない(予定どうり動けばの話だが)。
しかし、使用済みの中古品と新品を交ぜるのは大変な技術が必要で 、燃料が異常燃焼をおこしてしまったのか、燃料棒が想定外の消費がされてしまった。
だから、早めに停止して、点検を行った、となるのであろう。
この知見が正しいか否か、九電への問い合わせを行うことにした。

九電からの回答
事故ではなく数値異常

2011年4月5日 火曜日 午後1:33
九州電力です。
お問い合わせいただいた内容:
今度の統一地方選挙で街宣〜法定文書する内容の確認です。よろしくお願いします。

・玄海原発が運転停止した理由は、燃料棒に微弱な穴があいていたためである。
・事故原因の特定に時間を要する
・よって、計画停電の可能性が大きい。
・運転を止めた詳細は東北関東大震災以前には公表していなかった。
・また、玄海原発の放射能漏れがレベル5とネット上にあるが、対するコメントを御社は行っていない。

返信が特段なき場合は、上記内容と理解します。
ありがとうございました。

お問い合わせに対する回答:
ご質問について以下のとおり回答させていただきます。

ご質問1  玄海原発が運転停止した理由は、燃料棒に微弱な穴があいていたためか。

当社回答1
現在、玄海原子力発電所2・3号機は定期検査に入っており、運転を停止しています。
本検査は13ヶ月に1度行うように決められたもので、当社は計画的に実施しています。
なお、ご指摘のとおり、玄海原子力3号機においては、よう素濃度の上昇を受け、これに対応するために、定期検査を前倒しして実施していますが、もともと計画していたものです。
玄海原子力発電所2号機においては、計画に基づき、検査を行っています。

ご質問2  事故原因の特定に時間を要するのか。

当社回答2
玄海原子力発電所においては「事故」に該当するものは発生していません。
ここで表現されているのが、「燃料棒からのリーク」についてであるとの前提でお答えします。
リークが認められた燃料集合体1体の詳細調査を行った結果、超音波による調査で燃料棒1本に漏えいが認められたことから、当該燃料棒について、ファイバースコープによる外観調査等を行いましたが、異物の混入、損傷及び著しい腐食などの異常は認められませんでした。
このことから、今回の1次冷却材中のよう素濃度上昇は燃料棒に偶発的に発生したピンホールからの微小な漏えいが原因であると推定しました。
なお、本件は平成23年2月8 日にプレス発表させていただいています。

ご質問3  よって、計画停電の可能性が大きいのか。

当社回答3
計画停電については、実施の有無も含めて、詳細なことは決まっていません。
なお計画停電については、「事故原因の特定に時間を要す」ために発生するのではなく、福島第一原子力発電所の事象が安定していないことや国においても安全対策等について今後の方針を検討していることを勘案し、玄海原子力2・3号機の発電再開時期を延期していますが、この停止期間が長期化した場合には、電力供給に影響がでる懸念があると考えています。

ご質問4 運転を止めた詳細は東北関東大震災以前には公表していなかったのか。

当社回答4
前述したとおり、玄海2・3号機は計画的に検査を行うために運転を停止しています。
その件については、プレス発表を行っています。

ご質問5 また、玄海原発の放射能漏れがレベル5とネット上にあるが、対するコメントを御社は行っていないのか。

当社回答5
「玄海原子力発電所の放射能漏れがレベル5である。」とのネット上での書き込みの有無については承知していません。 そのため、当社としてもコメントは行っていません。
以上、長くなりましたが、ご回答いたします。 今後とも、当社事業に対し、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

以上です。

東日本大震災と偽メールで本来説明すべき事が吹き飛んだ

九電からの返信は迅速な方だったと思う。しかし、「よう素濃度上昇」は事実で、事故でなく、数値異常という見解を見て取れた。
さもなければ、定期テストの前倒しを行う必要はない。
さらに、今回の「欧州ほどのストレステストは必要なのか」の政府要職者の発言から、日本の安全基準は欧州以下である事を認め、上記の回答の民心への訴求度は地に落ちている感はぬぐえない(ストレステスト他、IAEA並みにすべきだろう。被爆国なのだから、最も高い基準でもいいのではないか)。
偽メール事件で吹き飛んだ「燃料棒の異常燃焼」は、そもそも東日本大震災以前から識者と一部市民が問題にしていた事であり、佐賀県知事も再稼働に慎重になっていた材料なのである。

県議会の調査が福岡県民に安心を与える

今回の震災で顕在化した玄海原発問題は最早、佐賀県だけの問題ではなくなった。
福岡県民の多くが、いずれMOX機の凄さ(経済性と危険性)と前倒し検査の事実を知る日が来るだろう。
先にも述べたがこの3号機はゴミ(使用済み燃料棒)も利用できる最新炉だ。
麻生前知事、小川知事と「水素戦略」を福岡の基幹産業に掲げ、莫大な県民税を投資している。
燃料電池車が普及すれば、家庭用の電気は燃料電池車から供給できる(車が発電所の役割を果たす。それほど燃料電池は凄い。商社、ハウスメーカーだけでなく東電、関電すらも危機感を持って開発している)。
そうなると、原発は必要ない。
しかし、水素戦略=燃料電池の実用化は遠い(燃料電池公用車の月額リース料は80万円!であることが予算特別委員会で明らかになった)。
また「新幹線は自分のものだ」と平然と言い張る隣国は、自国民からの支持を取り付けるために多くの石油を必要としている事実も忘れてはならない(もし、この隣国が日本の自動車保有率と同水準に達すると、地球上で走る車は今の2倍になるという!)。
当分の間、玄海原発3号機達とつき合い続けるなら、我々の疑念を払拭し(九電には我々の支払う電気料金で博士号等、優秀な肩書きを持つ学者を多く雇っており、大学院が創立できるほどの数を誇る。我々に簡明な説明が出来ない訳ではないはずだ)、資源ナショナリズム等様々なリスクを列挙し、天秤にかけ、やはり九電の判断が「至極当然」と納得させる努力をすべきだ。
そして失墜した信用回復は、人身の刷新と新しい人材による、自らにとって不利な材料を含めた積極的情報開示であり、誠意あれば、必ずや住民の心を射止める事ができるであろう。
「出口が見えないトンネルは不安。あと何メートルと書いてあると少し安心」
公共性の高い、九電に説明の場を与え、公正な議論は演出するのは政治の役割と考える。
その説明の場の一つに相応しいのが県議会ではないだろうか。

 

・2011/03/31福岡県大丈夫?ボランティア〜震災〜原発

 

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