12/01/01●浜武レポート「再生」


福島県南相馬市〜浜武しんいち撮影〜飯館村に迂回して東京へ〜動画はこちら

昨年は、二回の選挙と震災と、自己を問い直す年となった。
四月、光永勇全国勝手連連合会会長のお導きで、東北大震災の被災地支援活動「震災復興勝手連」に参加した。
道中、仙台空港の近く、名取市の遺体安置所に寄った。
毎日、数体の遺体が新たに搬入される遺体安置所の業務。この辛い仕事にあたっていた方にお話を伺う事ができた。
聞くと、地元市役所の職員でなく、兵庫県庁の職員であったが、県から要請があった訳でなく組合の横のつながりでボランティア休暇をとり、交代で任にあたっていたと云う。
勿論、無給。
頭がただただ下がる想いでいっぱいだった。


宮城県名取市内〜これより撮影禁止

「どうすれば自国民が日本人のようになれるか?」
経済成長が著しいブラジル財界幹部が日本人に教えを乞う。
「あの日、原発に赴き、決死の覚悟で作業に従事した消防士達が多くいた。損得勘定が働けば誰も行かない」
自分さえ良ければいい。人への思い遣りよりは計算。道徳の貧困と政治の無策を嘆いて久しいが、日本人は健全だった。

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「先生、法律が変わって建物を子どもに残しても税金で残らないのですよ。子ども達に何を残したらいいのでしょうか?」
現代の叡智と富の結実である原発もあてがはずれ、残ったのはモノや富でなく人間。
形あるモノをすべて失っても、あの消防士達のような人間を生み出す土壌がある限りこの国は滅びはしない。

「日本人の繁栄は一時的なもの。20年もしたら国として存在してはなく、中国かあるいは韓国ないしは朝鮮の属国にでもなっているかもしれません」とジョン・ハワードオーストラリア首相(当時)に語ったのは李鵬首相(当時)。

しかし、この国には、損得勘定抜きで、自ら原発に向かって行く者が多数いる。
不審船や島の不法占拠で騒がしいが、このような人達を育む土壌=教育がしっかりしていれば、この国は恐れるものはない。
今、会社(組織)や学歴(門地)、それどころか、国(国債を含め)までも、あてにならない時代。だからこそ、将来を担う子ども達を、どんな会社(組織)でも通用する人間、ささやかでもいいから尊敬される人間、に一人でも多く育て上げなければならない。
一兆円する戦闘機の機種選定よりも、このような人間を創る政策の方がもっと大切な事だ。

「モノは残らないし、会社はあてにならないから、教育こそ大切です」

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災害復興、社会保障年金、雇用問題格差、外交TPPと政治課題は山積する。しかし、教育だけは、決して手を抜いてはいけない最優先案件である事を痛切に教えられた一年でした。今年も旧年に引き続き、ご指導、ご鞭撻、宜しくお願い申し上げます。

 

浜武しんいち
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