筑紫野市長選挙/子どもの権利条例筑紫野市民研究会
23/01/09実施分
公開質問状と回答
公開質問状
2011年1月9日
筑紫野市長選挙立候補予定者
浜武しんいち 様
子どもの権利条例筑紫野市民研究会
代表 門田見 昌明
私達は、筑紫野市子ども条例づくりに市民として協力してきました。子どもの権利条約に即した内容となっているこの条例が昨年3月市議会において全員一致で採択されたことを市民として非常に誇りに思っています。条例は今年4月から施行となっており、新市長がこの条例をどのように実践されていくお考えを持っておられるか深い関心を抱いているところです。そこで、市長選挙に立候補を表明されている様に対して、公開質問状をつくりました。
なお、この公開質問状は「公開」となっておりますように、質問内容もご回答の内容もマスコミ等を通じて、広く一般に公開されることを前提としております。そのことで、子どもに関心をお持ちの市民の方々の投票の際の参考になればと思っております。ご回答に関しましては、出来るだけ具体的な内容としてくださいますようお願い申し上げます。ご回答はこの用紙に書き込まれても結構です。スペースが足りないときは別紙を使われても結構です。
ご回答書につきましては、1月15日に受取りにまいりますのでよろしくお願いします。
なお、不明な点がございましたら、下記にご連絡をください。
092-923-・・・・(TEL&FAX)
bqe・・・・・@nifty.com(メールアドレス) 事務局 武本
筑紫野市長選立候補予定者への質問(子どもの権利条例筑紫野市民研究会)
質問1 筑紫野市子ども条例第12条には、子どもの意見表明についてうたわれています。まちづくりにおいて「子ども参加」や「子どもの意見」を取り入れる機会をつくることを考えておられますか。また具体的なお考えがあればご教示ください。(たとえばいま進んでいるJR二日市駅前や、筑紫駅西口における再開発について子どもの意見を聴く場を設けるなど)
A
「子どもの意見」や「子どもの参加」等の権利行使を可能にせしめるには、まづ、義務を果たす事も自覚、実践しなければならない。
「自分さえ良ければいい(文部科学省のHPより引用)」と云う考えを持つ日本人に対する警鐘が教育基本法の改正背景にある。
私はまづ、義務の自覚、実践、並びに、権利の主張、表明については義務教育の場では「生徒総会」、地域の場では「子ども会」での議論を闊達にさせ、民主主義の学習を進めていく。そして、それら決定に対して、我々大人がその決定に真摯に向き合うことが大切だと考える。
その議論の中に貴団体が挙げる「まちづくり」等の内容があってもいいものだと考えるが、その題目を大人から押しつけるの(二日市中学校でかつて経験した、ゼッケン登校を通しての同和問題の提起)は極めて問題であるので(大人が子どもを利用する)、慎重にしなければならないだろう。
質問2 筑紫野市子ども条例第13条には子どもの居場所づくりについてうたわれています。子どもの年齢や状態はさまざまでそれぞれのニーズにあったいろいろな居場所づくりが必要だと思われます。特に中高生については安心して集える場が少なく、いじめや不登校などに悩む子ども達にとっては学校以外で社会とつながれる場としても大きな意味を持っています。そのような居場所づくりについてどのような施策をお考えですか。また、子どもの居場所づくりを行なうNPOや市民グループについてはどのような支援を行なうのがよいとお考えですか。
A
改正教育基本法によると、地域で子どもを見る努力義務が追加されており、筑紫野市の場合、コミセン単位の住民自治が総合計画でも推奨されている。この事は積極的に押し進めるべき内容だと私は考える。
複雑多様な大人社会を生き抜くために、学校があるが、学校から離れた時間は親が子どもを育てるのが基本であり、法的な問題一つ取っても公訴権は親に帰属する。よって、本来、行政体が放課後、子どもを見る事、そのために公金を支出する事には、相当の理解が必要であり、無論、親の承諾も必要である。
NPO団体に子どもの居場所を公が委託するのは、子どもの居場所を親からNPOに契約を促す私人間契約にあたり、画期的な事であるが、もし、万が一トラブルがあった場合の賠償を考えると難しい問題が残る(全面的に公金が支出される訳には行かないだろう)。
原理原則に立ち帰り、教育基本法の改正内容に従い、コミニティー単位で子どもの居場所を創る。学校、地域が連携する。希望すれば、民民(私人間)契約で自分の子どもの居場所を創る。但し、NPOへの公金の支援はコミニティーの醸成、連携を見極め、支出に関しては透明性を高めたうえで議会の承認を得る方向で考えなければならないだろう。
参考
・2010/12/10 Youtubeインタビュー【4】公共施設の開館時間他について
質問3 筑紫野市子ども条例第4章には子どもの権利救済委員についてうたわれています。子どもの権利救済が実質的に機能するためには、子ども自身が子どもの権利救済委員のことを知り、気軽に相談できるしくみになっている必要があると思われます。そのためにはどのような組織の整備と施策が必要だと考えておられますか。
A
新教育基本法の立法精神より、子どもは国(地域社会)の宝であり、親だけの「子ども」ではなくなっている、と解釈可能となった。
しかしながら、子どもを育てるのは親の責務であり、市役所がそのために職員を雇い、公金を支出するのは、相当の理解が必要である。この絶対前提より、親の育て方に対して、市役所がもの申すのは、明らかに法律違反の時でしかない。
実態として、ネグレクト(子育て放棄)に対処する方法は犯罪性がなければ見あたらず、刑法学者でも大きな課題となっている。
筑紫野市が対応できる方策としては、親権に対する地域の目を醸成する事。当該親が自覚を持ってもらう環境を創る事が現実的な課題だと考える。地域コミニティーの醸成が第一である。
尚、筑紫野市議会では「権利救済委員」の人選、委託組織について大いに議論となった事を附す。保護士等人選難である中、平原市長提案の条例が予定する権利救済委員は過度の権利主張を行う親、子どもへの調整にあたらねばならないので、相当の経験を積む人材が必要であり、直近の課題解決は難しいと考える(平原市長も明確な答弁は避けていた)。
質問4 子どもにやさしい都市はあらゆる年齢層にとってもよりよい都市と言われています(1996年 国連人間居住会議)。ユニセフは子どもの権利を尊重した運営をする都市を「子どもにやさしい都市」と呼び、世界中の子どもにやさしい都市がネットワークしていくことを呼びかけていますが、そのような国際的な取り組みについてどのようにお考えでしょうか。(添付資料参照)
A
国際的な取り組みで筑紫野市にとっていい事は積極的に取り入れたい。国際的な話ではないが、大野城市は「子ども条例」はないにも係わらず「子ども部」を創設しており、市民福祉を実践している。他方、宗像市は不登校の子達を復帰させるための組織があり、そこでは子育て全般の相談施設としても充実していると聞き知る。
これら施策内容に対する研究は先に述べたように、積極的に行うべきであるが、残念ながら、本市には「子ども条例」があるにも係わらず、それら施策研究を一体的に行う組織機構が伴っていない。
平原市長は、議会に於て、組織機構を伴った、子ども条例制定である事を確約した。
しかし、 昨年12月議会上程の組織機構改革案にも「子ども条例」を推進する枠組みは手つかずだった。議会軽視甚だしいものであり、条例制定時指摘したとうり、選挙目当て、売名のための実態の伴わない「理念条例」である誹りを甘受せざる得ない状態である。
これは次の機構改革(四〜五年後)まで、子ども条例について、手つかずの状態が継続するわけだ。
私はこの組織機構改革案に反対したが、賛成多数で可決してしまった( 議会の意志を尊重する貴団体と対立する結果となったのは残念でならない)。
まずは、条例よりも実態を重視する組織機構改編を行う。そして、世界各地の先進事例を学ぶ体制を整えなければ、笑い者にしかならないのではないだろうか。
参考2
・2010/03/05 筑紫野版「子どもの権利条例」についての質疑通告書
・2010/12/01 筑紫野市議会12月議会一般質問通告書、及び、本会議質疑通告書、委員会質問趣意書各要旨
・2010/12/10 Youtubeインタビュー【1】出馬動機、乳幼児医療、保育所、幼稚園について
・2010/12/10 Youtubeインタビュー【2】学校教育について
・2010/12/10 Youtubeインタビュー【3】食育と農政問題について